ブランの備忘録

主に個人の備忘録です。

ミサイル万能論の虚構。その2

 日にちが開いて忘れる前にどんどん書いていきます。個人的に思ったことをただひたすら書いているだけです。

そして米空軍は爆撃機クラスタになった

 第二次大戦でアメリカを中心とする連合側は勝利しました。まちがってもチョビ髭ヒトラーや丸眼鏡トージョー悪の枢軸側が勝利することはありません。いつの時代も正義が勝つのです。で、なぜアメリカは勝利できたのか。よく圧倒的な物量差で勝利したといわれます。たしかにそれもあるでしょう。まあ日本は物量以前の技術的格差の問題でしたが。しかし戦略爆撃についてはあまり触れられません。この戦略爆撃こそが、第二次大戦、そして冷戦を通してアメリカ空軍(陸軍航空隊)の主なテーマとなるのです。

 アメリカ陸軍航空隊は第二次大戦に戦略爆撃をしまくり、それだけでドイツと日本を負けに追い込みました。そこで、陸軍航空隊は思い込んでしまうのです。

「あれ?爆撃機だけでよくない?」

地上部隊がドイツの機甲部隊相手に一生懸命頑張ったとか彼らには関係ないのです。彼らは本気で自分たちのおかげで第二次大戦で勝利できたと思っていたのです(知らない)。そして、終戦間際、彼らは核兵器を手にしてしまいます。戦後空軍として独立した彼らは、今後発生する戦争は以下のような手順で勝つつもりでした。

開戦→直後に核兵器を搭載した爆撃機を離陸させる→敵の首都や主要都市にそいつを落とす

実に単純ですね。では、上記の流れで登場する航空機はなんでしょうか。見事に爆撃機だけですね。

 その結果アメリカ空軍はソ連の主要都市にひたすら核兵器を落とすためだけの爆撃機をつくることになります。はじめはB-52など高高度を飛来する爆撃機を所有していましたが、地対空ミサイルが実用化されると、より高速で飛行可能な爆撃機を開発することになります。ぼくの大好きなB-58 ハスラーがその一つです。

 そして技術の進歩により核兵器が小型化し、より小型な航空機にも搭載できるようになります。そこで戦闘爆撃機の登場です。戦闘機サイズの航空機に核兵器を持たせ、低空を超音速で飛行し、敵に核兵器をぶち込むのです。さて、ここで注意したいのは、当時アメリカ空軍のお偉いさんが考えていた戦闘爆撃機と我々が現在お目にする戦闘爆撃機には大きな隔たりがあるということです。現在の戦闘爆撃機は、精密誘導兵器や空対地ミサイルを駆使したあくまで戦術レベルでの対地攻撃を行う機体です。しかし、当時の戦闘爆撃機とは、ただひたすらに核兵器を敵中心部にぶち込むための戦略レベルでの機体なのです。まちがっても「陸軍がかわいそうや。せや!上空から支援してあげよう!」という優しさではないのです。

戦闘機のない空軍

 さて上記の説明で分かる通り、戦闘機による航空優勢の確保など彼らには眼中になかったのです。その結果どうなったのか、制空戦闘機は見事に全滅しましたとさ、めでたしめでたし、となります。もう少し詳しく話すと、爆撃機と戦闘爆撃機、敵爆撃機を迎撃するための迎撃機、そしてその他必要最低限の航空機以外、彼らはF-15の登場まで所持しなかったのです。

 これは本当に狂っているわけです。本来空軍の一番の任務は予算を貪る…ではなく、「制空戦闘機による戦域上空の航空優勢の確保」です。彼らはこの一番重要な任務を放棄してしまったのです。「その1」でとりあげた、空軍が独自に保有していた4つの戦闘機のうち、純粋な制空戦闘機はひとつもないのです。

運動性能?はたして必要かね?

 さて、ここまでくればなぜ「その1」でとりあげた4つの機体の運動性能が不足していたのかお分かりだとおもいます。そもそも戦闘機と戦うために作られていないのです。ただしF-100は別です。こいつは純粋に制空戦闘機としてつくられましたが運動性能は前任のF-86以下、そして当時のアメリカ空軍に制空戦闘機なんてジャンルがないため、戦闘爆撃機に分類されました。こいつらの第一の目的は核兵器をぶち込むこと、戦闘機と戦うことなど考えられていないのです。しかし、機関砲は搭載されました。実はこの辺が謎で、なぜ核兵器をぶち込むだけなのに機関砲を搭載したのかずっと疑問なのです。おそらく"戦闘"と分類に書いてある以上メンツを保つためにつけられたのかと(憶測だらけ)。

 ともかく、ベトナム戦争で戦ったアメリカ空軍の戦闘爆撃機ベトナム空軍の使用するソ連製戦闘機に手も足もでませんでした。完全に方向を見誤っていたです。

 

 一方海軍は違いました。次回はそのあたりを見ていきます。